由志園。松江に旅行に行くまでその存在を知りませんでした。ガイドブックには載っているけれども、失礼ながらそれを読んでも特に惹かれるものもなく。松江から境港に日帰りで行く予定だったので、途中にある由志園に寄ろうかどうしようか。まあ境港へ行ってみて、時間が余れば由志園にも寄ろう。
しかし行ってみると、ここがかなり良いお庭だったのです!行って良かった。すっかりファンになりました。
由志園ってどんなところ?
公式サイトで「由志園 牡丹と高麗人参の里」と出てくるので、牡丹はいいとして高麗人参とは??と思います。単なる牡丹園と高麗人参の栽培場所を見せられるだけはないのか、というウタガイを抱く。
しかしここが見事な庭園。
すみません、わたしの写真は見事じゃありません(涙)。実物は三十割増しです。
足立美術館ほどではなくとも敷地は十分に広いです。そこを自分の足で、自分のペースで回っていく。庭のエリアによってだいぶ雰囲気を変えていますね。枯山水あり、滝もあり、建物もうまく取り入れ飽きさせない。道を進む一歩ごとに景色が変わり、次はどんな風景が広がるかわくわくします。ここらへんかなり工夫してあると感じる。やっぱりわたしは自分の足で歩ける庭園が好きだ。
基本は種々の樹木の緑を味わう庭。しかしアクセントになるくらいに花も植えてくれていて目が休まる。わたしはやはり緑の中に花も欲しいんです。なんでもかんでも花となるとそれはそれで日本庭園としてはちょっと緩むから、ほんの少しでいい。初夏の季節は池のほとりのあやめ類。
でも5月になると牡丹がこの庭の主役になります。お庭の池に牡丹の花がぎっしりと浮かべられるというお話です。奇観であることは間違いない。牡丹についていえば、一年中いつ訪れても自慢の牡丹が見てもらえるように、敷地内に大型の温室ならぬ冷室を作り、温度調節で花を咲かせています。これも風情をよく考えた凝った作りで見ごたえがある。
牡丹にかけたプライドを感じます。
人工的に持たせているだけあって、季節外れの牡丹は少々ダレ気味ではありますがこの努力は買う。
努力といえば、ちょっと毛色の変わったイベントを次々と企画していてね。
海外のフラワーアレンジメント及び室内装飾の有名な人を招いたり。
夜のライトアップ・水中イルミネーションを企画したり。
今やっているイベントは、霧を庭園全体に人工的に発生させる「八雲の庭園」。これ行ってみたいなあ。
わたしが思ったのは、高麗人参を前面に出すと、さらっと情報を見た時に庭の良さに気づきにくくなるんじゃないかということですが……。由志園さん、この部分、要検討だと思うのですがどうでしょうか。
由志園はどこにあるの?
ここです。
地図上にはなぜか出てないけど、左下の松江イオンショッピングセンターと書いてあるあたりが松江駅。真ん中の島に由志園があって、右上に水木しげると蟹の水揚げ日本一で有名な境港市があります。
由志園のある島の名前は大根島。これが素直にダイコンジマと読むそうで、なんだか大根畑が広がってそうな名前です。
由志園への公共交通機関でのアクセスは?
バスで行けます。観光で行く場合、松江からの人がやはり多いでしょうか。
〇松江からのバスは2系統。一畑バスが運行する「松江境港シャトルバス」と松江市営バスの「八束町・由志園入口行き」。
松江境港シャトルバス……所要時間約25分。運賃700円。1日3本。
市営バス・八束町・由志園入口行き……所要時間58分。運賃680円。こちらは本数があります。
時刻表としてわかりやすいのは松江観光協会八束町支部のこのページですが、リアルタイムで更新してくれるかな?
市営バスとしてのバス運行時間表はこれ。6番乗り場のようです。
市営バスの運賃にたどり着くまでけっこう厄介でした。由志園最寄のバス停として「八束町中央」と「八束町・由志園入口」という2つの表記があるらしく、他所もんにはこの2つが同じ停留所を指すということがわかりません。やれやれ。
念のため、帰りに利用する由志園のバス停のページも貼っておきますね。
〇境港からのバスも2系統。
松江境港シャトルバス……所要時間約16分。運賃470円。1日3本。
八束コミュニティバス……所要時間40分。運賃200円。1日3本。
ちなみに「縁結びパーフェクトチケット」を購入すると八束コミュニティバス以外のバス代は含まれてますよ。
「縁結びパーフェクトチケット」は松江・出雲エリアをかなりの範囲でカバーする交通チケットです。このエリアを観光するなら相当使いでがあります。3日間で大人3000円。
松江ー境港間、松江ー松江空港間、松江ー出雲間など1000円前後の区間も使えるので、この辺りを移動するなら迷わず買いです。観光施設がちょこちょこ割引になるのも地味にうれしい。わたしは重宝しました。由志園の割引は100円のようです。
由志園の滞在時間はどのくらい?
由志園の滞在時間は、わたしの場合喫茶室でお茶を飲んで1時間半でした。ただ境港から来たからそういう時間帯のバスがあったのですが、松江駅往復のシャトルバスだと滞在時間が1時間か2時間かの選択になりますね。うーん。1時間でも回れるけどわずかに忙しないかもしれないなあ。2時間だとちょっと余るかもしれないが……。
飲食せずに1時間。お昼をゆっくり食べて2時間。市営バスとうまく組み合わせて、と最初は思ったのですが、市営バス利用だとバスに乗っている時間が長いのでむしろ由志園でくつろいでいた方がいい気もする。長時間のバスはけっこう疲れますから。長時間のバスを逆手に取り睡眠時間に充てるという方法はありかもしれない。
由志園にカフェ・レストランはある?
予約団体のためのお食事処が3ヶ所、個人向けのお食事処が1ヶ所、カフェが1ヶ所です。
おそばが美味しいらしい。値段はちょっとお高めなんですね。ざるそば1000円、かけそば950円、ハヤシライス1200円のあたりが最低ライン。口コミによるとこのお店は入場料を払わなくても入れる位置にあるそうです。庭園は少し見られるとか。
ここは良かったですー。ソファがふかふかで。ゆったり。
景色も豪華で。写真がいまいちなのは赦してください。独り占め。
高麗人参ソフトを食べました。550円。ピントがボケてる。
コワイモノ見たさで頼んで戦々恐々としていたのですが、味は普通の美味しいアイスでした。高麗人参の味はありません。なければないで少し残念なような。
他に誰もおらず、とても贅沢な気分でした。ありがたやありがたや。このカフェはぐるっと一周するコースの一番最後、出口のすぐ手前にあるのでカフェでくつろいでからもう一度庭園に戻りました。
松江の観光の際は由志園、おすすめです。
最初は行っても行かなくてもいいと考えていた由志園ですが、実際に行ったところとても気に入りました。こういうところが近場にあればうれしいのだが……。お値段手ごろですしね。松江に住んでたら2回行っただけで元がとれる年間パスポート、買いますねー。
ご覧になった通り、わたしが訪れたのは曇りの……あ、違う。小雨が降るような日でしたが、それでも十分堪能出来る庭でした。盛夏のギラギラした日差しよりも風情が感じられたかもしれない。秋もいいでしょうね。牡丹が推しだけに、盛りの春もいいでしょうね。うっすら雪が被ったところも趣があるでしょうね。四季楽しめるところだと思います。
団体さんは食事をするのがメインらしく、ちょっと経つとさっといなくなってしまいます。入場する時に団体さんと一緒になってぎょっとしましたが、庭園内は少し経つととても静かになりました。そんななか、自分のペースで歩いて風景をいろいろな角度から楽しめるのはとても贅沢。来て良かったと思いました。公式サイトがとてもきれいなので、まずはそちらをご覧ください。
松江に行かれた際は、どうぞ由志園へ。おすすめです。
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