またトラムに乗る。
ここからプラハ城までは歩いてもほんとにすぐなんだけど、時間が早いこともあり、
遠回りして裏側からのアプローチを試みる。プラハ城の前に少し寄り道。
例えていうなら、青葉城に行くのに大手門側からではなく八木山方面から行くようなもん?
プラハ城がある丘の西側に、ノヴィー・スヴェットという地区がある。
旅行前に読んだチェコ本の中に「雰囲気のいい場所」として挙げられていたので
ちょっと行ってみたかった。芸術家のアトリエなんかもちらほらあるそう。
ちなみにノヴィー・スヴェットとは「新世界」という意味らしい。
ちょうど左側の塀の中から人が出て来るところだった。
階段の途中ですれ違い、「ノヴィー・スヴェット?」と階段の下の方を指差し訊いてみると、
微笑しながら頷いてくれた。これから出勤する雰囲気。
この階段はけっこう急。ここに住んでいる人は毎日上り下りしてるんだなあ。
寂しくて静か。プラハの文学的雰囲気をまだ留めているような場所。
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さすがにプラハ城まで来ると観光客がいる。
The entrance of Prague castle.
プラハ城西側正門。写真がいまいち……。
Schwarzenbersky palace.
プラハ城入口のそばにあるシュヴァルツェンベルク宮殿。
絵で立体的に見せるスグラフィート技法で装飾されていて美しい。
凸凹して見えるところも実は平面ですよ。念のため。
Road to castle.
この階段を登るのはちょっと辛そうだ。裏から来たので登らなくても良かったのは幸いなり。
たしか「のだめカンタービレ」のヨーロッパ特番で、この辺り映してましたね。
The gate is repaired.
正門は修復中。
プラハ城はとてもでかいお城で……でも威圧感はなく、明るい雰囲気。
やはり建物が石造りでないことが大きい。チェコの大統領府としても使われている。
敷地がギネスブック級に広いらしい。何しろ城内にあんな巨大な大聖堂があるくらいだから。
お城に付属して礼拝堂があるところは多いし、教会と呼べる大きさの建物があるところもあるが、
大聖堂というのは聞いたことがない。
そういうわけで、プラハ城内のメインは誰がなんと言おうと聖ヴィート大聖堂。
St.Vitus's Cathedral.
あまりに巨大なので、こういうアングルでしか正面が撮れない。
中に入ると。ゴシックの大聖堂の荘厳な雰囲気。
ああ、と思う。久しぶりの巨大空間。少し腹の底がじんとする。
朝9時半の堂内。朝の光がステンドグラスを透過する。
Beautiful light.Like a jewel casket.
ステンドグラスの透過光が壁画に当たり、本当に美しい。
そのせいで壁画自体の内容はおぼろげにしか見えないんだけど、
見えるがままの状態で充分だった。宝石箱のよう。美には常に神性がある。
反対側の壁には、アルフォンス・ミュシャがデザインしたステンドグラス。
The stained glass by Mucha.
部分。メインであるべきは、中央の、目を閉じて腕を広げた人物と、
その足元にひざまずく少年だと思うが、少年の位置が苦しすぎないか。もったいない。
もうちょっと枠から離れたところにデザインするべきだったのに。
2人の名前はどこかで読んだが忘れてしまった。聖ナントカと聖カントカ。
……ナントカとカントカでは説明になってないが、頭の光輪から見てもわかるように彼らも聖人。
そろそろ人が増えて来る時間。団体付きのガイドの説明の声がうるさくなってくる。
ぼちぼち退散しよう。
少し写真が多すぎかな?