「ストーリーを知ると面白みが増す」。
片岡選手が「まいにちナイナーズ!」のvol.1でインタビューを受けていた時にいっていました。
「バスケットボールは、それぞれの選手のストーリーを知ると面白くなる」
ああ、なるほどなあ、と思いました。
やっぱりスポーツは情報が少ないよりは多い方が楽しめますよね。どんな選手か。プレイスタイルは。経歴は。性格は。
知ることすなわち愛すること。何のスポーツにも、そしてスポーツ以外にも通じますねー。
89ERSの歴史をちょこっとおさらい。
bjリーグの「スタート6」。
89ERSは、2005年から始まったbjリーグの最初の6チームの1つでした。
bjリーグがなんだったのか、についてはわたしは詳しくありません。なので、そのあたりのことは正確にはいえませんが、
すごく大雑把にいうと「実業団ではなく、スポーツとしてのプロ化を目指してチームを作ろう」という目的の元に設立された団体だったようです。既存のリーグから、方向性の違いにより独立したんですね。
このあたりの経緯はゴトーのブログさんでよくわかりました。(Bリーグになったあとの内容については、今後も含めて流動的。)
たった6チームで始まったbjリーグ。その初代の6チームは新潟・埼玉・仙台・東京・大阪・大分でした。
bjリーグは少しずつ加盟チームを増やして行きます。bjリーグとしての最終年である2015-2016には24チームが加盟。その時点で東北には、山形をのぞく各県にチームが出来ていました。
チームの価値は何よりもまず「勝てること」なので、歴史だけを誇る必要はありませんが、ある流れの最初の一滴ではあったでしょう。
bjリーグ時代は「やや強」なチーム。
bjリーグ時代は強かった時もあれば弱かった時もあり。ブースターはそのたびに一喜一憂しました。
バスケットボールは野球と違って、勝率2割があり得る世界です。野球はどんなに弱いチームでも10試合中4試合近くは勝てますが、バスケは弱いチームは5回見にいって勝ち試合を1回、運が悪ければそれもないかも。
逆に言えば、野球では常勝チーム(たとえばソフトバンクホークス)でも10回中4回くらい負けます。バスケは強いチームならば勝率8割近いこともあります。
自チームが強い時の喜び!これは気持ちいいんですよねー。当然だが。
ただし89ERSはプレイオフでは3位が最高で、当時の決勝の開催地・有明コロシアムに行けたことはありません。「有明へ!」が当時の合言葉でした。
Bリーグ発足。
そしてbjリーグとNBLがすったもんだの末統合し、Bリーグが発足します。これが記憶に新しいところの2016-2017シーズン。
BリーグはB1とB2、そしてちょっと形態は変わりますがB3に分かれます。
初年度、89ERSはB1に入れるかどうか微妙なところでした。強さもさることながら、Bリーグでは経営面の数字も大事であり、ホーム会場の座席数、実際の入場者数も含めて、クリアしなければならない条件が数多くあります。
それだけにB1に入れた時はうれしかった!すごく厳しい戦いになることはわかっていたけど。
が、1年間戦って……89ERSの勝率は0.233でした。
ホームでさえ、4回に1回しか勝てない現実。この1年は応援していて辛かった……
降格が決定した試合の解説・井口基史さんの涙をこらえながらのコメント。
この方、89ersに直接の関係はない方だと思うのですが……多分岩手ビッグブルズの時に交流があったのかな。もらい泣きしました。ありがたかった。
ここまでのエールをいただいて、89ersはB2へ降格するのです。
しかし翌年、B2でも勝率は0.350どまり。
降格はしたけれども、それならなおさら1年で復帰を目指せるような、強いチーム作りをブースターは期待しました。が、試合は負け続け……。この年も辛かったなー。前シーズンよりも辛かったかもしれない。ショックが大きかった。
B1の1年目と降格の1年目を端的にいうと「準備が出来ていなかった」のでしょう。主に経済的に。
大変化するチーム。
そしてこの2シーズンを過ごした後、オーナー会社が変わることになります。
現オーナー会社のHALEOへ。
社長も現在の渡辺太郎社長に替わります。
そしてヘッドコーチに名将・桶谷大さんを招聘。
さらに長年「ミスター仙台89ERS」としてチームを支えてきた志村雄彦選手が現役を引退し、球団のGMに就任しました。
……志村選手は当時まだ、余力を残していたと思う。B2のままの引退は悔しかっただろうし、またB1でプレイもしたかったでしょう。が、チームとしての将来を考えて――
今後数年を見据えた選手のラインナップ。自分がGMになることによって生み出されるメリット。広告塔としての役割。そういうことを考えた上での引退だった。
それは選手としては、辛い選択だっただろう……。偉かった。フォア・ザ・チームだったと思う。尊敬します。
選手もほとんど総とっかえでした。ほぼ別なチームといっていいほど。がらっと変わったわけです。これが昨シーズンの話。
B2優勝を、B1復帰を目指して。
昨シーズンの2018-2019年は幸先よく始まりました。
東北アーリーカップで優勝したんです!これはうれしかったね!
アーリーカップってなんでしょう。これについては以前に記事を書きました。
アーリーカップって知ってる?仙台でバスケを視よう。仙台89ers。
アーリーカップはシーズン前に行なう、6チームによるミニミニトーナメント戦です。小さな大会だけど、何にせよ1位というのは気持ちがいい!
桶谷大HCのもと、前シーズンは勝率0.667まで躍進しました。0.350→0.667になったんだから、ブースターは大喜び!――かと思うのでしょうが、そうは問屋がおろしません。
ブースターというのは欲張りで、3分の2の勝利では満足しないのです。
東地区2位、総合5位だったか6位でシーズンを終えました。やっぱりプレイオフ出場が最低目標だったので、それが出来なかったのは遺憾。前シーズンのルールでは、プレイオフは上位4チームでした。
そして、今シーズン。
アーリーカップはふるわず、シーズン前半は主力の怪我が続き……シーズン半ばは、外から見ていても満身創痍に見えていました。試合に出られる人数が少ない。2日間連続で30分以上出ている選手が何人もいました。
が、そんな状態を経ても、東地区の首位に立っています!
あれだけの怪我人がいて首位ってすごい。みんなが力を合わせて諦めずに戦ってくれたおかげです。
そして年明け。怪我人が戻って来た!エリック選手も加入した!行けるぞ!
B2優勝を目指して。
今シーズンのプレイオフは8チームで行われると決まっていたため、この勝率だったら進出はほぼ見えた、と思ったところでした。が、そのタイミングで今回の試合開催の延期が決まります。
現状で予定通りの日程が組めるのか。予定通り8チームのプレイオフが出来るかどうか、予断を許さないところです。スタッフのみなさんはてんやわんやでしょうし、選手もこの状態でコンディションを整えるのは難しいことでしょう。
しかしブースターは待っています。一日も早い再開を・再会を願って。
会場で89ERSを応援しましょう!
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