沖縄の旅の話/1993

◎沖縄で泊まった民宿の話。沖縄の旅の話・その2。

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今回はホテルの話から。

 

一人旅と宿泊場所の関係。

一人旅で泊まるところは大抵ビジネスホテルです。

ホテルを利用する最大の理由は、わたしの場合は立地ですね。基本、飛行機かJRか長距離バスの移動なので、宿は駅の周辺にとることが多いです。そうなるとだいたいホテルになる。

朝食が期待出来そうな場合は一泊朝食つき、そうでなければ素泊まりにします。朝食バイキングがアタリのホテルはテンションがあがりますねー!近年は朝食に力を入れているホテルが多くてうれしい限り。

地元の名物とか出してくれるとそのホテルに対して、大好き!と思います。記憶に新しいところでは鹿児島市の「サンデイズイン鹿児島」の朝食バイキングがすごく良かった!

36.検討。カゴシマシティビューとまち巡りバスはどちらがいいの?

名物の鶏飯やきびなごもあって、その他にもたくさん種類があって、それで540円!このホテルはお値段に対して感動するほど良いホテルだったので応援したい。わたしは多分もう行けないところだから余計。

ホテルが素泊まりの場合は、朝食は前日にコンビニでおにぎりとかパンを買っておくことが多いですね。部屋に冷蔵庫がなくてもエアコンはあるので、悪くなる心配はあまりしないかな。

つい欲張って買いすぎたお菓子とか、非常食用の甘栗とか、そういったものが朝食替わりになることもあります。地元の名物を買ってきて朝食にすることもありますね。名物はいくつもあるのに、自分の胃は一つしかないもんだから、食のスケジューリングが大変。

 

一人旅と温泉旅館の関係。

ホテルと比べると、温泉旅館や民宿は若干使いにくい印象がありますね。最大の理由はやはり立地。駅周辺に旅館や民宿はそもそも数少ないですし。旅館や民宿は郊外にあることが多いので、車で移動する人が使いやすいですね。

旅館や民宿に入ってしまうと、ちょこちょこ外出しにくいというところもありますね。昨今のホテルのルームキーはカードで、個人で携帯するというものが多くなりました。受付をいちいち煩わせないで済むというのは気軽。

わたしは昔、温泉にはまったく興味がなかったんですよね。むしろお風呂に入るのにわざわざ大浴場に行かなきゃいけないというのが面倒だった。朝早くから夕方遅くまでひたすら歩き回る身としては、宿泊場所に期待するのは泊まるだけ。安さとおいしい朝食があれば十分。お風呂はささっと入れれば良かった。

温泉旅館については、以前こんな経験をしたことがあります。

たしか山梨県の諏訪湖付近に宿を取ろうとした時だったと思う。いつものようにビジネスホテルを探しましたが、ビジネスホテルは、ない場所にはない。じゃあ旅館でもいいや、と思って手ごろな値段の温泉旅館を予約しました。

もしかしたら初めての温泉旅館だったかもしれない。まあ特に気にすることもなく着いて部屋に入り。旅館は古めで、そんなにいい部屋ではなかった印象がある。でも安かったはずだしね。特に不満はなく。

その後お風呂から上がってきたら、部屋に人がいてぎょっとしました。従業員の、年配の女性2人。どうやら布団を敷きに来てくれたらしい。そういえば旅館はお布団を敷いてくれるんでしたね。慣れてないので旅館のしきたりを知らない。あやしい人ではなかった。

……あやしい人ではなかったんですが、なんか釈然としないものがある。まず1人分の布団をわざわざ2人で敷きに来るというのが不思議。そして布団の敷き方が妙にのろのろしていたのが不思議。敷き終わってからもなんとなく腰を落ち着けて、世間話を続けている。下手するとお茶でも飲んでいきそうな雰囲気。

当時のわたしは、この人たちはサボリたいのかなーと考えていたのでした。そういうこともあるでしょう、と思いながらわたしも近辺の観光地を訊いたりして、しばらくの間それなりに歓談したのですが、この時の違和感が何年経ってもひっかかっていた。

そして何年後かに突然「はっ!」と思いつく。もしかして――ワケアリを疑われていたのか?

昔は女性の一人旅は相当に警戒されたそうです。ナニかをしでかすんじゃないかと。そもそも予約の時点で受け付けないこともあったそう。わたしはそういう話を昔話として聞いていたのですが――もしかたら、ね。

そう考えた方が、従業員の人のどことなく不審な態度も納得出来る。さぐりを入れてたってことじゃないですかね?今はもう、正解はわからないけれども。

現代では旅館にもおひとり様向けプランが出て来て、積極的に一人客も呼び込もうとしている様子。一人旅で断られるということはありません。断る旅館ももしかしたらあるかもしれないけど、そもそも旅行サイトでシングルプランを探すんだから、おひとり様お断りの旅館は情報として出て来ないのだ。

 

沖縄の民宿、万座荘。

沖縄の一日目の宿は民宿でした。沖縄県中部を観光しようとすると、その辺りはほぼ大規模リゾートホテルばかりで、値段が高い。それにその頃はリゾートホテルに一人で泊まる勇気がなかった。今は気兼ねはないけど、基本的にリゾートに興味がないので泊まる機会がない。

そんななかで見つけたお値打ちの民宿が万座荘でした。素泊まり。景勝地「万座毛」のすぐそばに位置します。夕飯を適当に食べてから民宿に19時頃着。駐車場が傾斜地で、レンタカーで駐車するのにびびりまくった記憶があります。

素泊まりの客であるわたしに、民宿の方はパイナップルとスイカを出してくれました。しかしいただいた後は早々に部屋へ引っ込むわたし。何しろ宿は泊まるだけでいいんですから。その日は仙台から伊丹乗り換えで沖縄に来て、レンタカーを借りていろいろ回ったんだから充実した一日だった。充実した一日だったからこそ疲れている。早くお風呂に入って寝たい。

お部屋は4畳半の和室でした。新しくはないけどこざっぱりしていて、山小屋風で面白い。ありがたいことに部屋にバス・トイレがついている。民宿ということで若干腰が引けていたけど、普通にこもりきりで過ごせそう。

明日も早いしお風呂に入ってそろそろ寝ようか……と思った頃、部屋に電話がかかってきました。21時半。こんな時間にどこから電話だろう、と相当警戒しながら電話に出る。突然の電話だと、家に急病人が出たとか火事になったとか悪い想像しか浮かばない。

そうしたら電話は民宿の人からで、「コーヒーでも飲みに来ませんか」というお誘いの電話でした。ちょっと迷ったけど。せっかくだから。階下へ降りて行きました。

民宿の方は穏やかに話す、優しそうなお母さん。コーヒーをごちそうになる。そのうち他の泊り客も降りてきて、総勢6人でおしゃべり。わたしが沖縄の習俗に興味があるといったもんだから、お母さんは思いつくことを一所懸命考えて教えてくれる。

その時聞いて部屋に戻ってからメモした内容を、せっかくだから書いておきますね。

〇女の子は13歳になった時お祝いをするんだって。成人式みたいなものらしい。昔は結婚が早かったから。

〇沖縄のひなまつりは「浜下り(はまうり)」。海岸に行って遊ぶとか。

〇結婚式では最後に必ずカチャーシーを踊るとか。300人くらい招くんだって。

〇ソーキそばのソーキはあばらという意味。抜けている男の人のことを「男はソーキ骨足りないから」といったりするらしい。女の人に対しては使わないらしい。

〇沖縄は冬もあたたかいので暖房器具は要らない。ストーブもない。こたつはある種のぜいたく品というか、お年寄りのために(使わないけど)備えておくという存在。

〇お盆の時はお墓の前に一族郎党集まってごちそうを食べるんだって。以前はお墓の中にそのまま安置したらしい。亡くなって3年経った時に骨になったのを取り出して改めて洗って埋葬する。信仰として仏教はほとんどない。先祖崇拝。

〇そうめんは塩味で炒めて食べる。

〇チーイリチーは豚の血を炒めた料理。けっこう希少価値があるとか。豚を屠るのは1月。

〇昔は県道58号線をアメリカ軍が行軍していたそう。恩納岳に大砲を撃ちこむから金武側の斜面には気が生えていなかった。

〇金武は基地があるので外人さんが多くて、量が多い食べもの屋さんが多い。

醸造元がすぐ近くにあるという「萬座」という泡盛をごちそうになる。泡盛というと癖の強いお酒を想像していましたが、ロックでいただいたお酒はすっきりとして水のようでした。オリオンビールも味見で飲ませてもらう。味は忘れたけれども。わたしにとってビールは「苦い」一択です。でもオリオンビールは多分苦くない方のビールですよね。

酒盛りというイメージではないけれども、この歓談は夜中の1時まで続きました。はっと気づけばその時間だった。わたしも翌日早めに発つ予定だったけれども、民宿のお母さんはそこまでつきあってくれて大変だっただろうなあ。

沖縄のことを考えるといつもこの民宿のことを思い出します。優しかったな。

翌朝、わたしはそれでも早起きして、徒歩で万座毛に向かいました。多分1キロ弱しか離れてなかったはず。車で行かなかったのは再度駐車する自信がなかったから。……でもよく考えてみれば、チェックアウトしてから車で行けば良かったんですよね。今さら。

万座毛は景勝地。でもこの日は雲が出ていて鮮やかな海は見られなかったな。

民宿のおかあさんは出がけに、素泊まりのわたしにジュースをふるまってくれる。泡盛をごちそうになったり、フルーツや羊羹をごちそうになったり、1泊2食分のサービスは受けているなあ。ありがとう、上間さん。

8:20に万座荘を出ました。2日目は沖縄南部を廻ります。

 

 

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