いろいろ徒然

◎英語で書かれた簡単そうな日本の歴史の本、4選。

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日本に長い、とあるスポーツ選手が「今年チャレンジしてみたいこと」を訊かれて、日本の歴史を勉強したいと答えていました。それを動画で見て、日本に愛着を持ってくれているんだなあと嬉しくなった。単に数年を過ごす外国の土地というだけじゃなくて、もっと深く日本を知りたいと思っているんだと。

しかし外国人にとって日本の歴史を学ぶというのはけっこうハードルが高いことかもしれません。日本の通史をつかむには、中学くらいの歴史の教科書を通読するのが大づかみの方法としては一番かと思うけれども、まあわざわざ教科書を買っては読みませんわね。特に日本語の本を。

英語で読む「日本の歴史」。

気が向いて英語で書かれた日本史の本を調べてみました。
それなりにありますね。基本を押さえていそうな本が何冊か。タイトルと表紙だけの判断ですが、簡単、シンプルという観点でピックアップすると、


A History of Japan: Illustrated

金額的にもページ数的にも一番楽に読めそうかなと思われます。ただ、イラストレイテッドは内容と直結した説明のための写真なり絵なりではなく、あたらずといえども遠からず程度の関連性の写真が言い訳のように載っている場合があるので注意。

……それにこれ、刊行年が1912年ですね。100年以上前に書かれた本。いくら歴史の本だからといってちょっと古すぎるなあ。

 

 


Ancient Japan for Kids: A Captivating Guide to Ancient Japanese History from Prehistory to the Heian Period (History for Children)

これは先史時代から平安時代までの子供向け日本の歴史。通史ではないにせよ、内容はちょっと良さそうだと思ったのだが……

しかし平安時代までの本の表紙になぜ近代のお嬢さんが?というところに疑問を禁じ得ない。これでは明治大正くらいの風俗ですよ。ここは平安時代の女房装束一択ではないだろうか。

イギリス中世史についての本の表紙に、ヴィクトリア朝時代のドレスを着たお嬢さんの絵が載ってたらどう考えても変ですよね?誰か止めなかったのか、この装丁。こんなことでは内容が信頼出来ない。

 

一番基本となりそうな本はこれ。


History of Japan: A Captivating Guide to Japanese History, Including Events Such as the Genpei War, Mongol Invasions, Battle of Tsushima, and Atomic Bombings of Hiroshima and Nagasaki (Captivating History)

Captivating Historyシリーズ。直訳だと「引き込まれる歴史」ですね。ペーパーバック版で128ページというのは歴史のアウトラインとして必要十分なボリュームだと思う。英語が読めて外国人の友達に日本の歴史を教えてあげたい人にも、帰国子女で小中学校で日本の歴史を全然教わって来なかったという人にも、なんだったら英語好きで歴史嫌いの高校生にも。英語で読めば好きじゃないものも楽しめるかもしれないし。

 

そういう方向まで考えるとしたら、少しズルですが、


英語で読む日本史 【増補改訂第2版】 (講談社バイリンガル・ブックス)

これも入って来るかなあ。日本語と英語の対訳を乗せたもの。単に歴史を知りたいと思うのならば日本語対訳部分は不要。帰国子女にはこのあたりが一番有用かもしれない。

この本はおそらく内容がしっかりしている――みんな大学の教授だから。竹内理三さんはどこかで日本史の概説書を読んだ気がする。信頼感アリ。

が、大学教授が専門分野について書く場合、簡略化が相当に難しいと思われます。なぜなら詳しく知りすぎていて、ついつい説明が細部にわたってしまうし、大学教授の立ち位置として小さなことにも間違ったことは書けないから。

そういう人たちが書くと、非常にマジメな本になるでしょう。マジメな本がわかりやすいか、覚えやすいかというと、それはまた別の話。

※後日、この本に(主に日本語の部分を)目を通しました。内容がまとまっていて、マジメな労作だと思いますが、……これを読んで「日本の歴史って面白い!」と思うかというと、正直ならないだろうなあ……。

 

逆に、日本語で書かれた外国の歴史。

わたしが通史として何となくわかるのは、……すごーくぎりぎりで中国史くらいしかないですねー。日本人には中国史はまあまあ馴染みやすい。三国志は日本でも人気だし、宮城谷昌光や陳舜臣は中国歴史小説をどっさり書いているし。日本の中国書きは山ほどいて、他国の歴史の小説をこれほど書く国は世界でも珍しいのではないかと推察します。

十八史略もなかなか面白かった記憶がありますね。ここらへんを読んでいけば中国史は積み重なっていく。正確性には欠けますが、歴史小説は歴史を大づかみするのに有用ではないでしょうか。

 


重耳 全3冊合本版 (講談社文庫)

 


中国の歴史 文庫 全7巻 完結セット (講談社文庫―中国歴史シリーズ)

陳舜臣は中国人ではありますが、日本生まれ日本育ち、日本語で書く人です。2015年に亡くなってしまいましたねえ……

 


【中古】 新十八史略 第1巻 / 駒田 信二, 常石 茂 / 河出書房新社 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】

これも面白かったです。

 

ところで、中国の王朝名を「もしもしカメよ」で覚えるという方法はご存じですか?

殷 周 秦 漢 三国 晋 (もしもしかめよ かめさんよ)

南北朝 隋 唐 五大 (せかいのうちにおまえほど)

宋 元 明 清 中華民国 (あゆみののろいものはない)

中華人民共和国 (どうしてそんなにのろいのか)

これはいいですよ~。わたしは元と宋がどうもひっくり返りがち。日宋貿易は平清盛ですね。元が元寇で鎌倉時代後期。

 

イギリス史はちょぼちょぼかなあ。なにしろ王様の名前が覚えられなくて。何とか〇世という王様の名前が多すぎるんじゃ!ヘンリー8世だけはイメージが浮かんで来るけど、ヘンリー8世がいるならヘンリー7世がいるはずで、じゃあヘンリー7世は何をした?と言われると全く知りません。

シェイクスピアには史劇というジャンルもあるくらいですから、その辺りを何度も読めばある時代のイギリス史にもなじんでいくのでしょうが。一度は読んだはずだが内容は全く覚えてない。でもシェイクスピアは戯曲ですから、小説よりもさらに史実からは離れるんだろうけど。

 


物語 イギリスの歴史(上) 古代ブリテン島からエリザベス1世まで (中公新書)

中公新書の「物語〇〇の歴史」シリーズは、著者にもよりますが比較的読みやすく、各国の歴史(一部の場合もある)をさらっとたどるにはなかなかおすすめ。

 

イタリア史は塩野七生の各著作を読むと、ルネサンスまでの部分はだいたいつかめますね。


ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)

塩野七生の書きぶりのせいで歴史エッセイだと思ってしまいそうですが、これは小説であることをお忘れなく。

 

簡単な歴史の本。

海外の人から見た日本の歴史、日本から見た外国の歴史。それぞれ興味深いものだと思います。

「歴史」という言葉に対する各国が持つ意味は違うと書いてある本を読んだことがあります。インドやイスラム諸国では歴史という概念が「ない」、アメリカでは「誰もが知っている話」という意味だと。歴史は歴史だろう、としか思っていなかったわたしはそういう考え方があることに一驚しました。

「ない」ってどういうこと?と思った方はこちらをどうぞ。


歴史とはなにか (文春新書)

面白いので歴史好きの人は読んで欲しいが、全体的にトンデモ本の気配もあるので眉に唾をつけながら読んで下さい。

歴史は面白い。物語であり、ロマンです。

 

 

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