仙台あちこち

◎仙台のお土産、シチュエーション別。地元民によるセレクト・その2。

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その1ではザ・定番の

萩の月
笹かま
牛たん

について書きました。そのうちの笹かまと牛たんはあまりよく知らないんですけれども(汗)。

わたしが特に推したい仙台土産はここからです!

 

amairoが推したい伝統的仙台土産6つ!

ふじや千舟「支倉焼」


ふじや千舟 支倉焼 10個入詰合せ【楽ギフ_包装】

 

昔から仙台の贈答を支えて来たお菓子。わたしはもっと支倉焼をみんなに知ってもらいたい!

ほろっとした皮でくるみがちりばめられた白あんを包んでいます。皮というとパイ皮のようなものが想像されると思いますが、そっちの方向じゃないんですよねー。なんというか、ソフトで薄いクッキーというか。しっとりと柔らかくて……バターが多いので洋菓子のような味わいです。ミルクっぽい風味もあり。そこにくるみ入りの上品な白あん。

平べったいおまんじゅう、という形なので包装紙を取ってそのままぱくっと食べるのが一般的ですが、実はお皿に出して、フォークや黒文字で一口ずつちょこちょこ切り分ける食べ方が美味しいです。お茶にも紅茶にも合いますね。ミルクティーにも。和風と洋風のちょうど中間のお菓子。支倉焼の名の由来は、伊達政宗がスペインへ派遣した使節、支倉常長の名前からだそうです。

特製サイズの「大」と「中」が時々ショーケースに飾られていますが、あれも注文可能です。一度注文してみたいなー。ちなみに「特製大」が普通の支倉焼12個分、「特製中」が6個分だそうです。「支倉焼」という文字を「寿」や「祝」にしてあるバージョンも注文可能だそうですよ。

製造元の「ふじや千舟」はこの支倉焼1本で長年営業を続けています。パッケージもほぼ変わらず昔通り。この事実に底力を感じます。新商品開発にしのぎを削るお菓子業界にあって、地道にいいものを作り続ける。ゆるぎない姿勢。地元民に支持された美味しさです。

 

〇どこで買える?⇒⇒仙台駅・エスパル。藤崎、三越のデパ地下。仙台駅から徒歩5分の本店。長町モール。

〇どんな人へのお土産?⇒⇒万人向き。優しい甘さ。

〇1個あたりおよそいくら?⇒⇒6個入り1箱1080円=@180円。たしか場所によっては簡易包装の5個入りも売っていて、もっと安かったはずです。自宅用に買うのはもっぱらこっち。

〇常温持ち運び可?⇒⇒お土産にうれしい常温保存可。賞味期限は10日。

〇重さは重い?軽い?⇒⇒持ち歩くなら18個入りくらいまでにした方がいいかも。

〇注意点はある?⇒⇒包装紙に赤と緑灰色がありますが、味の違いはありません。注文によっては赤を揃えてご祝儀菓子、緑灰色を揃えて不祝儀菓子、という使い方が出来ます。

 

九重本舗玉澤「九重」と「霜ばしら」

知らなかった……!玉澤には九重本舗玉澤と玉澤総本店があったのか!
今回初めて知りました。「玉澤」「玉澤」と言ってて意識していなかった。

九重本舗玉澤の方の代表菓子「九重」はちょっと変わったお菓子です。お菓子なのか?飲み物じゃないのか?あまり触れたことのない人には謎なお菓子。

 


九重本舗玉澤 九重一杯分10本箱詰


九重本舗玉澤 九重120g 3本詰

 

1、2ミリのちっちゃいあられ状の粒々に、柚子味、ぶどう味などの糖衣がコーティングされております。それを適量、湯のみ茶碗かグラスに出し、湯のみ軽く1杯くらいのお湯か冷水か炭酸水をそそいでしばらく待つ。

そうすると液体に糖衣が溶け出し、色と甘味がつき、あとには一回り小さくなった粒々が残るという。色と風情を楽しむお菓子です。

これだけではお菓子というよりは純然たる飲み物ですが、九重の別な食べ方があります。それはそのまま食べること。
口の開いた形のお茶碗に上品な程度の少量を出して、スプーンで食べる。ぽりぽり、かりかりした食感をお楽しみください。

若い頃お茶をやっていた祖母は、お友達との「九重」のやりとりが頻繁でした。祖母が若かった当時、甘味はやはり今ほどは豊富ではなく、その上日持ちする(3ヶ月。とホームページには書かれてますが、未開封で湿気らなければいつまででも大丈夫ではないだろうか)九重は、お茶席で重宝したとのこと。

子どもの頃によく家にあったお菓子なのでなつかしいです。子供ですから「色合いと風情を楽しみつつ飲む」なんてことはやっておらず、ぽりぽり食べる方が好きでした。よくこっそり食べようとしては袋を手から落としてしまい、中の粒々を床にぶちまけてました。あれは今考えても始末が悪かった……

ちなみに九重本舗玉澤からは知る人ぞ知る伝統的なお菓子をもう一つ。

霜ばしら。

自然界で霜柱を実見することも少なくなった昨今ですが、これはほんとに霜柱そのままな繊細さ。

分類としては飴ですが飴というには儚すぎる。霜柱同様、口に入れたら一瞬で溶けます。飴は基本「舐める」ものですが、舐める暇すらない。舌にのせてもう次の瞬間には消えている。儚く、美しいお菓子。

この繊細さを支えるために、缶には大量のらくがん粉が緩衝材として敷き詰められています。何も知らないで蓋を開けるとらくがん粉しか見えないので、このらくがん粉が霜ばしら?と勘違いするほど。霜ばしらは中に埋まっていますので、そっと発掘してください。あくまでもそっと。ぐるぐるかき回すと霜ばしらが全部折れちゃって台無しですよ!

作るのも繊細、運ぶのも繊細なので、食べるのも繊細に……と行きたいところ。でも子どもの頃、その溶ける食感が面白くて、バクバク食べてた思い出が強い。あんなに有難味もなく食べててすみませんでしたッ!

ちなみに「霜ばしら」は冬季限定です。予約待ちが発生することもある様子ですので、冬に仙台を訪れる方は、機会を逃さずにぜひ。

 

〇どこで買える?⇒⇒エスパル地下1階。藤崎・三越のデパ地下。長町モール店。グリーンマート桂店。九重はたしか「伊達のこみち」でお試しサイズのものが売っています。

〇どんな人へのお土産?⇒⇒(いろんな意味での)大人。九重を扱う時に取り落とさない落ち着きがある人。茶心がある人。風変りなお菓子です。気心の知れた方に。

〇1個あたりおよそいくら?⇒⇒単品で売っているところなら1杯分152円。10本詰め1620円。九重は、近年出て来た1杯=1包のパッケージもありますが、本来はレギュラーサイズ:250グラム、スリムサイズ:120グラムの細長い包装です。レギュラー:1296円、スリム:648円。個人的にはスリムサイズの柚子とぶどうの2本組か、それに抹茶を加えた3本組がちょうどいいかなと思います。

〇常温持ち運び可?⇒⇒常温可能。賞味期限3ヶ月。この部分での気遣いは一切必要なし。おみやげにはありがたい。

〇重さは重い?軽い?⇒⇒軽い。レギュラーサイズ3本組になるとだいぶ重い。

〇注意点はある?⇒⇒九重は色がきれいなので子どもも喜びます。大人が配ってあげましょう。

 

ずんだ(餅)

これも言わずと知れた昔からの仙台土産ですね。わたしは餅ではなく団子派で、ずんだが食べたくなると時々買います。立地から、自分が食べるのは北上京だんごが多いかな。

 


ずんだもち10個入(2パック入り箱)ずんだ餅・づんだ餅・宮城・仙台銘菓・仙台名物・仙台土産・ギフト・セット・贈答箱・ずんだともちこ・やなせたかしが愛した北上京だんご本舗

 

ずんだというのはどのくらい知られているものでしょうか?物としては、枝豆をすりつぶして砂糖その他を入れて甘くした餡なのですが。他地域の方は「聞いたこともない」レベルなのか「聞いたことはあるけど食べたことはない」レベルなのか。

ずんだは好き嫌いが分かれる味のようです。ダメな人は拒絶レベルのようですね。何がそんなにいけないのか訊いたことがあるのですが「枝豆が甘いことがゆるせない!」と言っていました。なるほど……。それから、豆の青臭さがそのまま出てしまうのがダメな人もいるようです。「好き嫌いはほとんどないけどずんだだけは食べられない」という人もいました。

マツコ・デラックスの発言でずんだシェイクの知名度が上がり、そこを入口にしてか、最近はずんだ味の商品が爆発的に増えて来ました。もうどこの店がどんなものを出しているかわからないほど。おみやげ処せんだいかエスパルの地下を回って、気になったものを買ってみてください!というしか。

しかし地下を回ってずんだものを制覇する時間と根性がない方には「ずんだ茶寮」を目当てにしてはいかがでしょうか。こちらは「萩の月」を出している菓匠三全の系列店です。わたしがこちらをお薦めする理由は、商品開発に関してはかなり腕があるような気がするから。今はずんだロールケーキがちょっときているようです。

味を受け付けないという人もいるので、食べたことがない人に最初からどーんとお餅を差し上げるのは控えた方がいいかも。ずんだ関連商品ならば強烈すぎる出会いにならなくていいと思います。既存のお菓子のずんだ味は珍しがってもらえます。ずんだ味のカントリーマァムなど。

バラマキ系のお土産にもずんだ関連はものすごく増殖中……!ずんだラングドシャとか、ずんだクランチチョコが初心者向けかなと思います。

 

〇どこで買える?⇒⇒仙台駅にはずんだ茶寮が3ヶ所あります。エスパルに1ヶ所。ずんだ関連商品なら、駅・エスパル・デパ地下に数えきれないほど。

〇どんな人へのお土産?⇒⇒餅ならば、ずんだ好きの人へ。実家など、気心の知れた人。ずんだ関連商品なら仙台らしくて万人向けではないでしょうか。

〇1個あたりおよそいくら?⇒⇒物によります。餅なら、ずんだ茶寮の場合、6個で865円。

〇常温持ち運び可?⇒⇒餅は保冷剤とともに販売時は冷凍状態です。他の関連商品は常温が多いですね。

〇重さは重い?軽い?⇒⇒ずんだ茶寮の餅の場合、6個入り250グラムだそうです。保冷剤の重さも考えると持ち歩きは2パックくらいかと。

〇注意点はある?⇒⇒餅は王道ですが、好き嫌いがあるそうです。餅にするか、ずんだ関連商品にするか、バラマキ系にするか。どれくらいのずんだ度合いが良いか選びましょう。

白松がモナカ

仙台のモナカ勢力を「寿の三色最中本舗」と二分する老舗、白松がモナカ本舗ですが、わたしがおすすめしたいのはミニモナカです!


白松がモナカ ミニモナカ20個/小豆 胡麻 大福豆(白あん) 栗

白松がモナカでは、モナカのサイズに大・中・小・ミニがあって、そのミニサイズが可愛いんです。味も小豆・胡麻・大福豆(白あん)・栗があるから、一度に4つ食べるも良し。バラマキ土産にも良し。だいたい500円サイズです。

白松がモナカの羊羹も美味しいです。筍皮を模した包みの一棹の羊羹には高級感があります。でも今食べやすいのはミニサイズですかね。栗・本煉・大納言・胡麻・大島・挽茶・梅・茶衣・コーヒーの9種類の味があるそうです。うーん、大島、茶衣、コーヒーは知らないなあ。

 

〇どこで買える?⇒⇒仙台駅、エスパル、藤崎、三越。その他路面店あり。車移動の人は事前確認推奨。

〇どんな人へのお土産?⇒⇒小さいのであまり人を選ばない。バラマキ土産にも。

〇1個あたりおよそいくら?⇒⇒ミ二サイズなら箱詰め個数によるが61~67円。小型で125円、中型174円、大型(注文してから作る)230円。

〇常温持ち運び可?⇒⇒常温可能。賞味期限は1週間から10日。

〇重さは重い?軽い?⇒⇒ミニサイズで1個9グラムだそうなので、50個のバラマキを考えてもそれほどではない気がする。中型52グラム×8個が2箱くらいだと重くなるでしょうね。

〇注意点はある?⇒⇒胡麻餡にファンが多いらしい。胡麻餡好きは要チェック。

 

ちなみに最初から一度に3種類食べたい人には「寿の三色最中本舗」もあります。


寿の三色最中(ごま..)小×12個入詰合

 

まころん

「まころん」は昔からある仙台駄菓子です。しかし今回検索してみて、日本各地にそれぞれのまころんがあるのを知りました。仙台のまころんはざっくりした生地をころんと可愛く丸くしたクッキー系のお菓子。
マカロンとはまったく違うものです。すっかり定着したフランス高級菓子の「マカロン」ですが、出始めはまころんとマカロンの違いにピンとこなかったことを覚えています。「まかろん?まころんじゃなくて?」という会話をしました。

数あるなかでわたしが好きなのは、渡辺製菓の「特上まころん」。最近パッケージが変わったようです。

 

現行のパッケージはこれ。

渡辺製菓の「特上まころん」はスーパーで買えます。買い物に行って棚で目が合い「あ、久しぶりに食べたい」と思って買い物かごにいれる、という存在です。多分人生において食べた回数でいえば、今回取り上げたおみやげのなかで断トツに多い。

まころんには小粒と大粒があります。小粒と大粒は違うもののような気がする。わたしは完全に大粒派ですね。というか、渡辺製菓派です。でも駅中のおみやげ処などでは小粒が多いかも。ぜひ大粒を食べて欲しい!駄菓子だと思っていると、思いのほか洋風な、さくっと豊かな味わいで驚きます。落花生が原料。食べ応えがあるのでお腹が空いた時に満足感のあるおやつです。

 

〇どこで買える?⇒⇒スーパー。どこのスーパーでも置いてるのかどうか自信がなかったので、渡辺製菓さんに問合せました。駅やデパ地下にはないようですが、生協、ヨークベニマル、イオン、西友、ウジエスーパーなど、ほとんどのスーパーに置いてあるとのことです。よっしゃ!
仙台駅最寄りのスーパーだったらイオン仙台店(下記に地図)。ここならアーケードぶらぶら歩きの時に行きやすいですね。地下の食料品売り場(普通にポテトチップスやチョコレートを売っているところ)に売ってます。

〇どんな人へのお土産?⇒⇒上記の渡辺製菓さんのものは個包装ではないので、ご自宅や気の置けないお友達に。一人暮らしの人の軽食に。

〇1個あたりおよそいくら?⇒⇒……個?いや、個はわかりません。袋菓子です。1袋300円ちょっと。

〇常温持ち運び可?⇒⇒常温持ち運び可。賞味期限も長い。

〇重さは重い?軽い?⇒⇒軽い~~~。袋ですので、つぶれないように気をつけましょう。他のメーカーではおみやげ用の箱入りのものもあります。

〇注意点はある?⇒⇒カロリーは高いよ!ちょっとずつ食べるんだよ!でも3個くらいなら大丈夫だよ!……多分。

 

イオン仙台店地図

 

売茶翁「みち乃くせんべい」

これね。買うのちょっと難しいので、ご紹介は止そうかなと思ったんですけれども。
でもこういうものこそ「隠れた銘品」だよなー。知って欲しいよなー。という葛藤を経たお菓子です。

お店は売茶翁。こちらのサイトがお店の雰囲気がよくわかります。

このお店は、なんとこの現代日本で電話が非公開という、なかなか孤高の商売をなさっているところです。当然HPもメールアドレスもありません。お店側からネット上への発信はゼロ。多分完全にゼロ。所在地もちょっと中心部からは離れていて行きにくい。でも定禅寺通りはケヤキ並木がきれいなところなので、お散歩を兼ねて足を伸ばすのに良いかも。近くにあるメディアテークは伊藤豊雄設計の、建築界ではちょっと知られた建物ですので、建築好きな人は合わせて見るのも良いと思います。

お店の佇まいが静かで、本当に入っていいのか少しためらうほど。藩政時代の菓子処というイメージです。仙台でお茶をなさる方には絶大な信頼を置かれているようです。

こちらの「みち乃くせんべい」。一般的にせんべいと言って想像するものとは違うと思います。麩焼きですね。言うたらモナカの皮のような5センチくらいの丸いせんべいに、黒糖をわずかに加えた砂糖でコーティングした、儚くも優しい甘さの上品なお菓子。これも九重や霜ばしらなどと同じで、風情を大切にしたい。

……しかしこれも子供の頃、味わうこともなく、バリバリムシャムシャと食べておりましたッ!軽いものなので、3、4枚は一瞬でいけてしまいます。アブナイ。大事に食べましょう。

このお店はねりきりも美味しく、他にどら焼きも有名だそうです。どら焼きはしばしば売り切れあり。ねりきり(だいぶお高め)も売り切れが多いかと思いますので、その辺りを買う予定の方は午前中の訪問がおすすめです。喫茶スペースもあり、お抹茶とお菓子、夏場はかき氷などいただけます。

 

〇どこで買える?⇒⇒「みち乃くせんべい」は、売茶翁の店舗以外でもたまにちらっと見かけることがあるのですが……はっきりした記憶がない。デパ地下とかにあるかなあ。やはり確実なところはお店ですね。(下記地図)

〇どんな人へのお土産?⇒⇒大人の方へ。茶心のある人。バリバリむさぼり食わない人。

〇1個あたりおよそいくら?⇒⇒これがねー……。たしか1枚50円内外だと思ったのですが。セット売りは6枚かなあ、10枚かなあ。もっと多めのセットもある筈です。

〇常温持ち運び可?⇒⇒常温持ち運び可。日持ちもします。

〇重さは重い?軽い?⇒⇒ものすごく軽いです。旅行者の味方。

〇注意点はある?⇒⇒味わって食べましょう。

 

売茶翁地図

 

以上、「amairoが推したい伝統的仙台土産6つ!」でした!
でもね。実はまだ残っているんですよね。取り上げたいお菓子が。みなさんの貴重なお時間を頂いてすみませんが、……その3に続きます。お菓子の話なので出来ればのんびりお読みください。

◎仙台のお土産、シチュエーション別。地元民によるセレクト・その3。

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