世界各国に猫の島・猫の町があるようですが、わたしが出会った「猫の島」はイタリアのヴェネツィアにあります。
島の名前はトルチェッロ島。
トルチェッロ島はこんな位置にあります。
ヴェネツィアから行ける観光の島でメジャーなのはムラーノ島とブラーノ島ですが、トルチェッロ島は多分その次くらいにメジャーです。でも多分ムラーノ島とブラーノ島には行く人が多いんだけれども、トルチェッロ島まではなかなか行かないんですよね。
トルチェッロ島はいいところです。古い古い教会と、金色の美しいモザイクがある島。
誰もいなくて。いや、誰もいないわけではないですが、ほんとーに人が少ない。一緒の船で着いた2、3人の地元民と同じく数人の観光客、教会の入口で入場料を徴収する人以外は見ませんでした。簡易スタンドのお土産屋さんでさえ無人。一体どうやって物を買うのか。商品は盗まれないのか。疑問。
人の代わりに猫がいます。
妙にたくさんいる。島ですもんねー。周りはみんな海。魚いっぱい。
猫びっくり見。
なんだか哲学的。
ガン見。かわいいというより迫力。
みんなすごくじーっと見て来る。いや、そんなに見つめられても……
ふらふら歩くおじいさん。
辺りの写真を撮りながら歩いていると、おじいさんが通り過ぎて行きました。ちょっと服装もだらしなく、足取りも怪しげで実は酔っ払いかなあとちょっと怖かった。そのまま歩くこと数分。
おじいさんはある場所で立ち止まり、手に持ったビニール袋から何かをいきなり地面に捨てる。少々びくびくしながら歩いていたのでぎょっとする。
ですが、こういう理由でした。
そうか、おじいさん、猫たちにエサを持って来たんだ。猫たちはこの人を待っていたんだ。
おじいさんはそのままぶらぶら行ってしまって、わたしはそこで写真を撮る。猫は無心に食べる。手前の子だけ子猫かな。背中から健気さが漂う。
……でもね。
猫たちのうしろの金網の向こうはこんなことになっています。
猫たちと鶏たちがこの距離感で一緒にいていいものだろうか……。
特に金網は普通にあるだけで、屋根がなかったんですよね。鶏は猫の獲物には大きすぎるから平気なの?猫と鶏というだけで心配になるが。
写真に撮って来たのは10枚くらいですが、もっと猫はたくさんいました。寒かったせいか、それともわたしが怪しかったせいか、大人猫が多かったせいか、あんまりなつっこく寄ってくる感じではない。みんなだるま型。置物のようになっている。
トルチェッロ島は、そこで行き会った人間の数よりも猫の方が多い島でした。
ブラーノ島の猫。
ブラーノ島に戻ってからシーフードフライを食べました。やっぱり漁師の島だから。屋台とスタンドみたいなお店で、いうたら安直な屋台めしの類ですが、軽く揚がっていて美味しかった。スタンドの足元に別に食べ物をねだるでもなくうずくまる猫。
この子もだるま。やっぱり寒いのかな。ヴェネツィアの猫はどっちかというと全体的に孤高な感じでした。
鳥も孤高。
きれいな鳥ですが、何の鳥かはわからない。
いつか行ってみたい猫の島。
話は変わりますが、猫の島といえばマルタ島が有名ですね。
ここもいいところらしいんですよー。猫の島としても有名だが、マルタ騎士団の本拠地だったところで、単純に観光地として歴史的建造物も良さそう。治安も良くて物価も安めで近年は語学留学でも人気だそうです。この位置関係にして公用語は英語。イタリア語じゃないんだね。
あー、きれいですねえ。
日本で猫島の有名なところは鎌倉の江の島、愛媛の青島、福岡の藍島などありますが、自分としては猫の島といえばここです。
宮城県は石巻の田代島。行ったことないけど!
こちらのページは懇切丁寧に書かれていて詳しいです。
石巻から船で45分。
石巻を9時か12時半に出る船に乗って、田代島の仁斗田を14時か15時半に出る船なら無理のないコースかな。前に調べた時はもっと時間がかかるイメージで、1泊2日な気がしていたのですが日帰り大丈夫ですね。いつか行きたいです。
香箱座りのトルチェッロ島の猫。
トルチェッロ島の猫たちはひたすら香箱座りのだるま型でした!島に行くと、船着き場から唯一の観光名所であるサンタ・マリア・アッスンタ聖堂への一本道を歩けば、いずれは猫に突き当たると思います。わたしが行った時にいたのはだいたい中間地点の鶏がいるところとサンタ・マリア・アッスンタ聖堂の周りでした。多分観光客は勝手にエサをやったりしない方がいいんだろうなー。
トルチェッロ島の猫はおそらく愛嬌はあまりありませんが、逃げたりはせず堂々と立ち向かってくれると思います。そして動きが少ないので被写体としてハードルが低い。サンタ・マリア・アッスンタ聖堂も素晴らしいところなので、ヴェネツィアの観光の一日はぜひトルチェッロ島へ行って見てください。
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