いろいろ徒然

◎絵を描いたことがない人が、アクリル絵具を買って1ヶ月経ちました。その1。

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こないだアクリル絵具を買って、およそ1ヶ月が経ちました。
今までどんな風にどんなことをしてきたか、残しておこうと思います。まあ他人様の役にはあまり立たないと思うけど、主に自分の記録として。

 

アクリル絵具を買う前に。

前の記事にも繰り返し書いたのですが、わたしは絵がとても下手だったので、中学校以来絵を描こうなんて思ったこともありませんでした。わたしには縁もゆかりもない行動だと。

◎12年ぶりの物欲!それはアクリル絵具、63色セットでした。

しかし絵具を買うと決めたのですから、一度は描くことにチャレンジしようと思ってました。遅かれ早かれグラデーションの装飾物になるとしても、全然使わなかったら絵具自体もかわいそうな気がしたから。

まず「初心者向けアクリル画」の動画をたくさん見た。

「描く」を視野に入れた時点で、youtubeの「初心者向けのアクリル画」を見まくって。こういう動画は星の数ほどあります。サムネの時点で、あんまり好きじゃないなーと思う動画はわざわざ見なかった。こういう絵を描きたいと思えるものや、こういう絵ならもしかして描けるかもという動画だけを見ました。

こういう目から入る情報はかなり重要だと思います。見たものはイメージに残りやすいしね。いわゆるイメトレ。見たからすぐに出来るようになるものでもないが、目的地が見えていた方が迷子になりにくい。そこへ行くまでの道で迷ったとしても、少なくとも目的地は見えているわけですから。

インターネット以前と比べて、本当にこういう部分は楽になった。世の中のノウハウはyoutubeが全て教えてくれます。ノウハウを得てからそれをどうするかは自分自身。

アイディアを文章で書きとめた。

そうするうちに、何を描きたいかのアイディアがいろいろ浮かぶようになってきました。最初は頭の中で考えてるだけでしたが、あまりにたくさん浮かぶので、結局メモにとっておくようになりました。そうしないと忘れてしまうし、描きたいものがなければ描こうと思っても描けませんよね。

ちなみにそのアイディアの中には、初心者では描けないものをたくさん含まれています。描けるかどうかは別として、思いついたものをとりあえず書き留めておくのが大事だと思った。もしかしたら将来描けるかもしれないし、簡易的な描き方で描けるようになるかもしれないし。

アイディアっていっても大したものではなくて、「モネの睡蓮のマネ」「前に尾瀬で撮った写真の風景」「壁の黒猫」など。自分が判ればいいから簡単にメモって、……そしてどんなんだっけ?とわからなくなったりしている。

雑記帳にイメージを描くようになった。

そうこうするうちに、文章ではメモれない、あるいは具体的に下描きをしておきたいものが出て来ました。

普通だったらそういうものを、スケッチブックに描いていくものでしょう。が、わたしは適当なその辺のメモ帳に描き始めました。ずっと昔から家にあった、100枚綴りくらいの、わら半紙のような紙質の悪いメモ用紙。大きさはA6くらい。

正直別にここまでケチらなくてもいいような気がしますが、性格ですね。これなら失敗した絵は破り捨てればいいや、と思って気楽に描けます。スケッチブックを前にすると「ちゃんと描かなきゃ!」という意識が出てしまって、どうでもいい紙に描く時と比べて失敗率が高くなる。

これがけっこう良かったと思う。ちょっと思いついた時に、あるいは描きたいなと思ったものを見た時に、ささっと描いてみると、……まあちゃんとしたものは全然描けませんが、その1カットが「実績」になる。絵を描いたことがない人にとって実績を積み重ねていくことは大事。本当に大事。

最初のページには木と家を描きました。でもまるで幼稚園児みたいな絵(笑)。

あまりにも幼稚だったので破り捨てようかと思ったのですが、下手な絵を破り捨てていると永遠に破り続けることになりそうだったので、破り捨てることは止めた。止めたが、最初のページとして見ていることが嫌だったので、文字情報をその上から書いて、絵はなかったことにしました。それはそれで仕方ない。

しかしこの雑記帳システムは、結果的には絵を描く大きな一歩となりました。
1ページは純然たるメモになってしまったが、2ページ目から4ページ目は描きたい絵の下絵になり、5ページ目に球のデッサン……のつもりのものを描き、お手本を見ながら桜を描き、ケシを描き、梅の葉を描き、もちろんものすごくヘタクソなんですが下手なりに満足出来るものもあったりして、それを何度も眺めることで小さな自信が積み重なっていく。

どうでもいい絵をたくさん描く。それが描くことに対する心理的なハードルを少し下げた。

 

アクリル絵具を買ってから。

そして、最初にアクリル絵具を知ってからAmazonと楽天市場でどれを買おうかうっとりしながら迷うこと数か月。(実際は1、2ヶ月)ついにアクリル絵具を買いました。


Shuttle Art アクリル絵の具 アクリル顔料 66本セット 63色(白3本と黒2本入り) ペイントブラシ10本 パレート付き 速乾 耐久 チューブ 22ml 手作り 布/石/ガラス/セラミックに描ける 子供用 イラスト 塗り絵 クラフト 美術 画材 宿題 初心者 専門家

63色!63色も入って4000円強。割安感。

正直なところ、絵を描くのに63色もある必要はないというのはわかっていました。だいたい12色くらいが基本セットで、そのくらいあればだいたいの色は作れるんですよね。多くても24色、30色程度でも実用には十分。

だが、わたしはグラデーションが好きなんです!

せっかくだから出来るだけ色数の多いセットにしました。こんなに色数がある絵具は、今回を逃せば多分一生買えないもの。届いたものを4、5日眺めて楽しみました。色が並んでいるだけで幸せ。

「絵の描き方」の本を図書館から何冊も借りた。

動画の方が情報量が多いし、本まで見る必要があるのかという疑問もありますが、とりあえず見て悪いこともないはずなので、初心者向けの絵の描き方の本を10冊くらいは図書館から借り出しました。(結果的に2ヶ月くらいかけて。)

でもまあそんなに好きな本はなかったかなあ。
絵の描き方といっても結局好きな絵じゃないと「こういう風に描こう」とは思えないわけで。そして好きな絵というのは実はそんなにめぐりあわない。10冊あったうち、これは買ってもいいかなと思えた本が1冊。買ってませんけど。

 


アルウィンのアクリル画入門 (Learn to Paint)

 

もっとも、借りた本にはボタニカルアートの本も多かったので、最初から参考にならなかった。ボタニカルアートはちゃんと描ける人じゃないと描けないジャンルです。わたしはデッサンをする気もないし、色で遊べればいいので。ボタニカルアート自体は好きなので、眺める分には楽しかったですが。

色見本を作った。

さて、いよいよ実作です。
まず、昔買って3分の1くらい使ってあった小さいスケッチブックに色見本を作りました。

色見本とはなんぞや?

わたしもよく知らないけど、youtubeを見ていると、初めての画材(絵具など)を使う時は、色を確かめるために白い紙に一覧表のように塗ってみるもののようですよ。

美的センスのある人はこういう色見本も美しく作るようだが、わたしは特にそういうセンスがない。なので、紙の上にほんの少しチューブから絵具を絞り出して、それを筆で伸ばすという芸も何もない方法を取りました。

それでも、色を実際に塗ってみるとラベルと違う印象の色も多少あったし、色のグループごとに並べてみると、意外にこの色とこの色は近いんだな、遠いんだな、という認識が出来た。出来たからってすぐどうなるものでもないですが、まあいつかは役に立つでしょう。多分。

最初の作品は「時計の針の色塗り」でした。

色見本作りの次にやったことは、時計の針の色塗りでした。……何それ?

ちょっと前に壁掛け時計を買ったんですよね。買おうと思ってから実店舗もネットもだいぶ見た。100円ショップの時計で機能的には十分だったのですが、部屋の模様替えもしたことだし、気に入ったデザインの時計にしてもいいなと思った。紆余曲折のあと、気に入ったデザインの時計を見つけました。文字盤の色は白と黒があり、部屋の雰囲気から黒の方が合うかなと思って黒を買いました。

が、これが問題だった。昼間と(照明が点いている)夜はいいのですが、夕方だと文字盤のグレイに溶け込んで、黒い針が見にくかったのです。

しばらくは時計の針にキラキラしているマスキングテープを雑に貼り付けてなんとかしました。でも63色のアクリル絵具の中には金、銀もあります。このどっちかを塗ったら見やすくなるのではないか?

考えた末、銀を塗ってみました。しかし針の黒色に負けて、全然色がつかない。うーん。今度はパールホワイトを塗ってみました。おお、いいんじゃない?針が見やすくなった。

この成功に味をしめて、ほとんど衝動的に、玄関のドア装飾の剥げていた部分にメタリックブロンズをぺたぺたぺたと塗りまくりました。おお。これもいいじゃない?最初に塗った部分は元の色と比べて少し明るすぎたけど、黒をちょっと混ぜたらちょうど良くなった。

というわけで、わたしのお絵描きは絵ではなく、DIYから始まったのでした。

いたずら描きをする。

いよいよお絵描きです。

が、やったことはただひたすら線を描くだけ。これが良いのか悪いのかは自分ではわかりません。が、最初から一枚の絵を描こうとするのは止めた方がいいと思った。何しろ数十年ぶりの図画です。上手く描けるわけないじゃないですか。そして上手く描けなければすぐイヤになって止めてしまいそう。

絵具セットに付いてきた筆は10本セットでした。1本1本、どんな線が引けるかどうか、どのくらい絵具をつければいいのかを確認しながら描いてみる。

これがけっこう大事でした。水彩絵具とアクリル絵具って使う量が全然違うんですね!わたしはとりあえず油絵的なコッテリした絵を目指していたので、ほとんど水を混ぜないで描いてみました。そしたらほんのちょっとの範囲しか塗れない。水彩絵具は小学校の6年間使っても、おそらくチューブの10分の1程度しか使わなかったと思うのに、その5倍くらいをパレットに出してもあっという間になくなってしまう。

なるほど。だからアクリル絵具は普通の水彩絵具の5倍くらいの量になっているんですね。でも水彩の使い方しか知らないものだから、こういう風にたっぷり使うのにはいまだに慣れなくてついケチケチ使ってしまいます。

ケチケチ使ってしまうのには理由があります。
アクリル絵具って乾きやすく、そして一度乾くと耐水性になり――ということはもう二度と水に溶けないということ――使えなくなってしまうからです。水彩絵具がパレットに出したら出しっぱなしで永遠に使えるのとはわけが違う。

それもあって「どのくらいの絵具でどのくらいの範囲が塗れるのか」ということを体で覚えるのは大切なように思う。しかし小学校中学校で見に着いた感覚&生来の貧乏性はなかなか手強く、何度も何度も絵具を追加してめんどくさい。

貧乏性という話題が出たところで思い出しましたが、わたしは現在たいへんみみっちい道具を使って絵を描いています。長くなるのでそれはまた別に話しましょう。

いたずら描きの内容。

しかし線を永遠に描いているわけにもいかないし、いたずら書きにしても何かを描かなければなりません。ここはけっこう迷いどころだった。何が一番いいかは現在も模索中ですが、結局わたしが描いたのは、

マーガレットみたいな形の花。
円。からのブドウの粒。
筆のおもむくままに動かした線でそれっぽく描いた花。

など。アイディアはすぐに尽きました。

いたずら書きの内容も少し考えた方がいいかもしれません。ものすごく簡単で、それなりに描いてて楽しくて、繰り返し描くと画力の向上が見込めるというモチーフって何かないですかね?

 

まだ続きます。……が、いいかげん長いので一度切ります。

この時点で描きはじめて1週間の段階。1週間で色見本を作り、サイコロを描き続け、筆と線と絵具の量を確認するためにいたずら描きをしました。全然進んでない。

でも正直、わざとノロノロしているところはあります。まずは練習でしょう。泳げるようになるには、最初から25メートルプールの完走(完泳)を目指すのではなく、顔をつける、水中で目を開ける、バタ足の練習をする、息継ぎの練習をする……と段階を踏んで行った方がいいと思うから。

そして、もっとじっくり描くべきであることもよくわかりました。どうもざくざく描きすぎる。

これはyoutubeを見ている影響もあるかと思う。youtubeの動画は倍速や3倍速で描き方を見せるので、そのイメージが残ってさくさく描きたくなる。そんな能力もないのにさくさく描こうとするので、下手なままですね。

いや。まだ下手も上手いも、その段階にすら到達してはいない。地道に。地道に。

 

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